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ネイティブアプリとWebアプリの違いとは?スマホアプリ開発の選び方

2025年1月に旧コラムで公開した記事を、に今の内容に合わせて書き直しました。

「ネイティブアプリとWebアプリ、どちらで作ればいいですか?」

アプリ開発のご相談で、よくいただく質問です。事業者様のほうでも迷われていることが多く、打ち合わせはたいていこの話から始まります。

ざっくり言うと、ネイティブアプリはApp StoreやGoogle Playからインストールして使うアプリ、WebアプリはSafariやChromeなどのブラウザで開いて使うアプリです。カメラや通知などスマートフォンの機能をしっかり使いたいならネイティブアプリ、早く小さく始めて、直しながら育てたいならWebアプリが合っています。

当社はWebアプリとネイティブアプリのどちらの開発にも対応していますが、ご相談の内容と事業の段階を伺っていくと、結果としてWebアプリをご提案することが多いのが実情です。なぜそうなるのかも含めて、違いを順に書きます。

まず、違いを表で比べてみます

比べる点ネイティブアプリWebアプリ
使い始め方App Store・Google PlayからインストールするブラウザでURLを開くだけ(インストール不要)
動く場所スマートフォンの上で直接動くブラウザの中で動く
動作の速さ・操作感速く、なめらかにしやすい通信環境や端末の性能の影響を受けやすい
スマホの機能カメラ・GPS・通知・Bluetooth・ARなどを幅広く使えるカメラや位置情報は使える。Bluetooth・NFCはブラウザによっては使えない(特にiPhone)
オフライン対応しやすい仕組みを入れれば一部対応できる
公開・更新ストアの審査が必要サーバーを更新すればすぐ反映される
対応する端末iOSとAndroidで別々の対応が必要1つ作ればスマホでもPCでも使える
決済有料の機能など、デジタルの商品を売るときはアプリ内課金になり、ストアの手数料がかかる(物販や予約は対象外)Webの決済サービスを選べる
見つかり方アプリストアの検索・ランキングGoogleなどの検索、SNSで共有されたリンク

ネイティブアプリとは

ネイティブアプリは、App Store(iPhone)やGoogle Play(Android)からダウンロードして、スマートフォンにインストールして使うアプリです。ホーム画面に並んでいるアプリの多くが、これにあたります。

nativeは「その土地で生まれた」という意味の英語で、アプリでは「そのOS向けに作った」という意味で使われます。iPhoneならiPhone向け、AndroidならAndroid向けに作られ、端末の上で直接動きます。

作り方は、大きく分けて2通りあります。

  • OSごとに作る: iPhoneはSwift、AndroidはKotlinという、それぞれのOS向けの言語で別々に開発します
  • 1つのコードで両方に対応する: FlutterやReact Nativeなどを使い、iOSとAndroidの両方で動くアプリを1つのコードから作ります(クロスプラットフォーム開発)

どちらで作っても、ストアからインストールして使うアプリであれば、一般にはネイティブアプリとして扱われます。Flutterで作ったアプリも同じです。

Webアプリとは

Webアプリは、SafariやChromeなどのブラウザでURLを開いて使うアプリです。インストールはいらず、同じものをスマートフォンでもPCでも使えます。

ネットショップの購入画面、予約システム、SNSのブラウザ版、業務で使う管理画面などがわかりやすい例です。

ホーム画面に追加すると、アプリのように全画面で起動できるWebアプリもあります。こうした作りはPWA(プログレッシブウェブアプリ)と呼ばれていて、ストアを通さずにアプリに近い使い心地を出せます。

どこで差が出るのか

スマホの機能と操作感

ネイティブアプリは端末の上で直接動くので、動作が速く、操作もなめらかにしやすいです。カメラ、GPS、プッシュ通知、Bluetooth、AR・VR(XR)など、スマートフォンの機能を幅広く使えます。オフラインでもしっかり動かしやすく、通信が不安定な場所で使うアプリにも向いています。

Webアプリで使える機能は、ブラウザが対応している範囲に限られます。カメラや位置情報はブラウザからでも使えますが、iPhoneのSafariではBluetoothやNFCをWebから使えません。XRの分野でもiPhoneではWebの技術でできることが限られるため、本格的な体験はネイティブアプリで作るのが一般的です。

届け方と、見つけてもらい方

ネイティブアプリは、アプリストアで見つけてもらって、インストールしてもらう必要があります。そのかわり、一度ホーム画面に入れば、アイコンやプッシュ通知で繰り返し使ってもらいやすくなります。

Webアプリは、URLを開けばすぐに使い始められます。Googleなどの検索結果や、SNSで共有されたリンクからそのまま使ってもらえるのが強みです。インストールの手間がないぶん、最初の一歩のハードルは低くなります。

公開と更新の速さ

ネイティブアプリは、公開するときも更新するときも、AppleとGoogleの審査を受けます。審査の結果によっては修正が必要になり、公開の予定がずれることもあります。Appleの審査ガイドラインでは、機能が極端に少ないアプリや、Webサイトを包んだだけのようなアプリは、公開を認められないことがあります。

Webアプリには審査がなく、サーバーを更新すればすぐに全員へ反映されます。仮説を試して直す。これを何度も繰り返す時期には、この速さがとても効きます。

開発と運用の手間

ネイティブアプリでiOSとAndroidの両方に対応するには、それぞれのOS向けの開発が必要です。Flutterなどを使えば1つのコードにまとめられますが、見た目や操作感の調整、一部のOSの機能への対応などで、追加の手間がかかることがあります。多くのアプリではサーバー側の開発も必要なので、複数の技術を同時に開発・保守していくことになります。

ストアでアプリを公開するための費用もかかります(2026年9月時点)。

ストアのルールが変わることもあります。使えていた機能が制限されたり、ルールに違反したと判断されてアプリの公開停止やアカウント停止になったりすることもあるので、ルールを理解したうえで運用する必要があります。

Webアプリは1つ作ればスマートフォンでもPCでも使えるので、ネイティブアプリより開発の手間を抑えやすい傾向があります。対応できる開発会社が多いのも特徴です。ただ、求める機能によってはWebアプリでも大きな開発になるので、「Webアプリなら必ず安い」とは限りません。費用を比べるなら、作りたいものが決まってからのほうが確実です。

事業の段階ごとの選び方

立ち上げたばかりなら、Webアプリから

  • 新しい事業を小さく始めて、反応を見ながら直していきたい
  • できるだけ早く公開したい
  • ストアの審査やルール変更に振り回されたくない
  • スマートフォンでもPCでも使ってほしい

こういう段階なら、Webアプリから始めるのが向いています。

利用者が増えてきたら、ネイティブアプリも候補に

  • すでに利用者がいて、繰り返し使ってもらう仕組みを強くしたい
  • プッシュ通知で利用者に確実に知らせたい
  • オフラインでも使えることが欠かせない
  • カメラ・GPS・Bluetooth・XRなど、スマートフォンの機能を深く使いたい

ここまで来ると、ネイティブアプリを作る意味がはっきりしてきます。

両方を組み合わせることもできます

最初はWebアプリで始めて、利用者や必要な機能がはっきりしてから、ネイティブアプリを足す進め方もよくあります。データや仕組みを扱うサーバー側を共通にしておけば、利用者が触る画面だけをネイティブアプリとして作ることもできます。最初からその流れを見込んで設計しておくと、移るときの手間が減ります。

WebアプリとWebサイトの違い

Webサイトは、会社案内やブログのように、主に情報を「読む」ためのものです。Webアプリは、ログイン、購入、予約、投稿など、利用者が「操作する」ためのものです。同じWebの技術で作られているので、境目はあいまいです。1つのWebサイトの中にWebアプリの機能が入っていることもよくあります。

WebViewかネイティブかを見分けるには

WebViewは、ネイティブアプリの中でWebページを表示するための部品です。アプリの一部の画面をWebの技術で作ってWebViewで表示する作り方は、「ハイブリッドアプリ」と呼ばれます。

アプリ内ブラウザは、LINEやInstagramなどでリンクを押したとき、アプリを離れずにそのアプリの中でWebページを開く機能です。

ある画面がネイティブで作られているのか、Webの画面を表示しているのかを、見た目だけで確実に見分ける方法はありません。目安になるのは次のような点です。

  • 画面の上や下にアドレスバーや「ブラウザで開く」というメニューがあれば、アプリ内ブラウザでWebページを開いています
  • 機内モードで開くと画面が表示されない、または読み込み中のままになる場合は、Webの画面を表示している可能性があります。ただ、ネイティブの画面でも通信が必要なものは同じように止まるので、これだけでは決め手になりません
  • 文字を長押ししたときの選択のされ方や、スクロールの感触がWebページに近い場合は、WebViewの可能性があります

開発者であれば、アプリ側でデバッグが許可されているときに限り、MacのSafariのWebインスペクタや、Chromeの「chrome://inspect」でWebViewの中身を確かめられます。

「スマホアプリ」と「ネイティブブラウザ」という言葉

「スマホアプリ」は、スマートフォンで使うアプリ全般を指す言葉です。多くの場合はストアからインストールするネイティブアプリのことですが、スマートフォンのブラウザで使うWebアプリも、広い意味ではスマホアプリに入ります。打ち合わせでは、どちらのことを話しているのかを最初にそろえておくと、話が早く進みます。

「ネイティブブラウザ」は、スマートフォンに最初から入っている標準のブラウザを指すことが多い言葉です。iPhoneではSafari、多くのAndroid端末ではChromeがこれにあたります(機種によって違います)。

ご相談でよく聞かれること

Webアプリでもプッシュ通知は送れますか?

送れます。Androidではブラウザから通知を送れますし、iPhoneでもiOS 16.4以降は、ホーム画面に追加されたWebアプリなら通知を送れるようになりました(WebKitの発表)。ただ、利用者にホーム画面へ追加してもらう必要があるなど、ネイティブアプリと比べると条件があります。

WebViewで作ったアプリは、ネイティブアプリですか?

厳密には、先ほど書いた「ハイブリッドアプリ」と呼ばれる作りです。ただ、ストアから入れるアプリなので、配り方や審査はネイティブアプリと同じです。

アプリ内課金とWebでの決済は何が違いますか?

まず、アプリ内課金が必要になるのは、有料の機能や電子書籍など、デジタルの商品・サービスを売る場合です。物販や予約など、アプリの外で受け取る商品・サービスの代金は対象外です。

アプリ内課金はApp StoreやGoogle Playの決済の仕組みを使うもので、ストアの手数料がかかります。手数料は、一般に売上の15〜30%とされてきました。ストアを通さないWebアプリの決済なら、ストアの手数料はかかりません。

ただ、日本では2025年12月に「スマホソフトウェア競争促進法」が全面施行され(公正取引委員会)、アプリの外での決済の扱いが変わりました。たとえば、デジタルの商品・サービスを、ネイティブアプリからWebの決済ページへ案内して買ってもらう場合にも、Appleの手数料(15%。条件によっては10%)がかかります(Appleの発表)。細かい条件はストアの規約で決まり、変わることもあるので、検討するときは最新の規約を確かめてください。

迷ったら、まずWebアプリで試してみてください

どちらにするか決めきれないときは、まずWebアプリで小さく出して、使われ方を見てから考えるのが、いちばん遠回りが少ないと考えています。審査を待たずに直せるので、最初の数か月で分かったことをすぐに反映できるからです。

当社は鹿児島を拠点に、全国の事業者様からアプリ開発のご相談を承っています。お打ち合わせはオンラインが中心ですが、内容や地域によっては伺うこともできます。対応している開発の内容は当社の事業内容をご覧ください。「うちの場合はどっち?」という段階でも、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人: 長重 佑(ヘッジホッグ.exe合同会社 代表社員)

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